社会保険料:年収500万で年75万引かれる現実

給料明細を見るたびに「何これ?」と思う社会保険料。厚生年金、健康保険、雇用保険を合計すると年収の15%が消えていた。28歳の俺が計算し直した本当の手取り。

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約1450語
2026/4/1
就職して6年目、年収が500万円を超えた。正直うれしかった。でも給与明細をじっくり見た時、思いのほか手取りが少ないことに気づいた。額面42万円なのに、振り込まれるのは33万円程度。毎月9万円近くが消えている。 税金の話じゃない。所得税と住民税は別だとしても、その前に引かれている「社会保険料」の合計がバカにならない。俺は28歳、東京都内のIT企業でWebエンジニアをしている。年収500万円、ボーナス年2回。特別に高い給料でもないし、特別に低くもない。平均的なサラリーマンだ。 給与明細の「控除」欄を上から下まで足してみた。厚生年金、健康保険、介護保険(40歳からだが親の分を調べてみた)、雇用保険。合計すると月額約62,000円。年間で744,000円。年収500万円に対して14.9%。 この数字を見た時、「これって投資とかじゃなくて、本当に戻ってくるの?」と思った。正直に言うと、社会保険料の仕組みを理解していなかった。何がいくら引かれて、何に使われているのか。俺と同じように、給料から引かれる金額に疑問を持っている人は多いはずだ。 この記事では、年収500万円の俺が実際に計算した社会保険料の全貌を書く。厚生年金、健康保険、雇用保険、それぞれいくら引かれて、どういう仕組みなのか。給与計算機を使って計算した実際の数字とともに説明する。

使い方

俺の年収500万円の内訳から始めよう。月給は基本給30万円+残業手当5万円+各種手当2万円=37万円。ボーナスは夏75万円、冬75万円の年2回。年収合計は37万円×12+150万円=594万円。えっ、500万じゃなくて594万?と思うかもしれないが、社会保険料の計算基準になる「標準報酬月額」は月給ベースで決まる。ボーナスは別枠だ。 月給37万円(30歳以下・東京都)の場合の社会保険料: 厚生年金:月額33,960円(本人負担) 標準報酬月額37万円に対して、保険料率18.3%の半分を負担。370,000 × 18.3% ÷ 2 = 33,855円。端数処理で33,960円。 健康保険:月額18,130円(協会けんぽ・東京都) 標準報酬月額37万円に対して、保険料率9.90%の半分。370,000 × 9.90% ÷ 2 = 18,315円。等級で調整されて18,130円。 介護保険:40歳以上から徴収。俺は28歳なのでまだ不要。でも親(58歳)の場合は月額約6,000円追加される。 雇用保険:月額1,850円 一般事業の場合、保険料率0.5%。370,000 × 0.5% = 1,850円。 合計:月額53,940円。年間で647,280円。 待てよ。ボーナス時も社会保険料が引かれる。ボーナス150万円に対して: 厚生年金:150万円 × 18.3% ÷ 2 = 137,250円 健康保険:150万円 × 9.90% ÷ 2 = 74,250円 雇用保険:150万円 × 0.5% = 7,500円 ボーナス時合計:219,000円。年2回で438,000円。 年間社会保険料合計:647,280 + 438,000 = 1,085,280円。 年収594万円に対して約109万円。18.3%。予想以上に多かった。給与計算機でシミュレーションすると、俺の手取りは年間約420万円。額面の70%しか手に入らない。

プロのヒント

社会保険料は「標準報酬月額」という等級で決まる。実際の月給が37万円でも、標準報酬月額の等級表では38万円の等級に分類されることがある。この等級は毎年見直されるので、昇給したタイミングで翌年の保険料が跳ね上がることがある。 厚生年金は将来の年金額に直結する。納めた期間と金額に応じて、65歳から年金が支給される。俺が28歳から65歳まで37年間、同じ水準で納め続けると仮定すると、老齢厚生年金は月額約10〜12万円。基礎年金(国民年金)の月額約65,000円と合わせて、月額16.5〜18.5万円。夫婦二人で月額33〜37万円。正直、これだけで老後を暮らすのは厳しい。 健康保険は使わないと損に感じるが、使う時は本当に助かる。俺は昨年、盲腸で入院手術した。入院1週間+手術費用の合計は約50万円。でも高額療養費制度で自己負担は約9万円だった。月々18,000円を健康保険に納めていて損した気分だったが、この時は本当に助かった。 雇用保険は退職時に失業給付として戻ってくる。自己都合退職なら退職から2ヶ月待期期間があり、その後最大6ヶ月間、月々約11万円が支給される。俺はまだ使ったことがないが、心のどこかで「いつか使うかも」と思っている。 会社員の場合、社会保険料の半分は会社が負担している。俺が払っている18.3%の厚生年金のうち、会社が9.15%を出している。つまり会社のコストとしては、俺の給料+同額の社会保険料負担が発生している。人件費は給料の1.3〜1.5倍と言われる理由がこれだ。

よくある間違い

一つ目の間違いは「手取り=額面ーの20%」とざっくり計算することだ。実際は18〜22%で変動する。年収、年齢、地域、会社の健康保険組合によって違う。俺の場合は18.3%だったが、40歳を超えて介護保険が加わると20%を超える。給与計算機で自分の正確な手取りを計算した方がいい。 二つ目は「社会保険料は損だからフリーランスになった方がいい」と考えることだ。確かに個人事業主なら国民年金と国民健康保険で月額約23,000円+約15,000円=約38,000円。俺の会社員時代の約54,000円より安い。でも厚生年金は公司負担分も含めて将来の年金が増えるし、健康保険は傷病手当金や出産手当金がある。フリーランスにはない手厚い保障だ。会社を辞める前に、本当に損かどうか計算しろ。 三つ目は「年収が上がれば比例して手取りも増える」と思うことだ。標準報酬月額の等級が上がると、保険料率も上がる。月給が40万円になっても、社会保険料が月額約6万円に増える。手取りは3万円しか増えない。昇給の恩恵は額面の半分程度しか感じられない。これを知っておくと転職活動での年収交渉の目安になる。 四つ目は「ボーナスは全額手取りになる」と勘違いすることだ。ボーナスからも厚生年金と健康保険が引かれる。75万円のボーナスから約10万円が社会保険料として消える。さらに所得税と住民税も引かれる。振り込まれるのは55万円程度。25%以上が消えている。

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