フラット35と変動金利:35年で210万円の差がついた理由
住宅ローンでフラット35を選ぶか変動金利を選ぶか。実際の数字で計算すると、35年間で210万円の差が出た。どちらが本当にお得だったのか。
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2026/4/1
家を買うとき、一番迷うのが住宅ローンの金利タイプだ。銀行の窓口で「変動金利がいま人気ですよ」と言われて、なんとなく変動を選ぶ人。フラット35なら安心だと思って固定を選ぶ人。どちらも正解であり、どちらも不正解だ。
俺は32歳で埼玉県に3,500万円の中古マンションを買った。頭金は400万円。ローンは3,100万円。銀行の人に「変動金利なら今0.4%ですよ。フラット35なら1.9%。月々の支払いで2万円以上違います」と言われて、一瞬で変動に傾いた。
でも妻が「金利が上がったらどうするの」と聞いてきて、計算することになった。その計算結果が衝撃だった。35年間で210万円の差。ただし、その差は俺が思っていた方向とは逆だった。
結婚して5年目、子どもが1人。共働きで世帯年収は780万円。 typical な東京圏のファミリーだ。この記事は、俺が住宅ローンを選ぶために計算したすべてを書いたものだ。
使い方
変動金利の実態を計算する
2026年4月現在、メガバンクの変動金利は0.4%前後。フラット35は1.9%前後。この差はでかい。3,100万円を35年で借りる場合:
変動金利0.4%:月々約79,800円
フラット35(1.9%):月々約96,800円
毎月の差は約17,000円。年間で204,000円。35年で714万円。変動金利の圧勝に見える。
でも、これは「金利が0.4%のまま変わらない」という前提だ。現実はそうはいかない。
変動金利は半年に1回見直される。2026年は低いが、2000年頃は変動金利が2.5〜3.5%だった時期がある。1990年代は6%超え。俺が35歳から70歳まで払い続ける間に、金利が上がらない保証はどこにもない。
俺は3つのシナリオを住宅ローン計算機で試した。
シナリオA:35年間ずっと変動0.4%
総返済額:3,351万円(利息251万円)
シナリオB:10年後に変動が2.0%に上昇、その後維持
最初の10年(0.4%):月79,800円×120ヶ月=958万円
残り25年(2.0%):月100,800円×300ヶ月=3,024万円
総返済額:3,982万円(利息882万円)
シナリオC:フラット35(1.9%)で35年固定
総返済額:4,054万円(利息954万円)
シナリオAとCの差は703万円。変動がずっと安い。でもシナリオBになると、差はたった72万円に縮まる。そして金利が2.5%以上に上がったら、変動の方が高くなる。
実際のところ、変動金利が35年間ずっと0.4%のままというのは非現実的だ。過去50年のデータを見ると、変動金利の平均は2.0〜2.5%程度。つまりシナリオBか、それより厳しいケースが現実的だ。
210万円の差の内訳
俺が最終的に計算した「現実的な差」はこうなった。変動金利の平均を2.0%と仮定した場合と、フラット35の1.9%を比較。ほぼ同じだ。むしろ変動の方が高くなる可能性がある。
210万円という数字は、俺が「変動金利が今後20年間で平均1.5%」と仮定した場合の、フラット35との差だ。変動が安く済む可能性はある。でもそれは賭けだ。給与が減るかもしれないし、子どもの教育費がかかるかもしれない。そういう時に月々の支払いが1〜2万円増えるだけで家計はきつくなる。
俺はフラット35を選んだ。理由はシンプルだ。月々17,000円多く払うだけで、35年間安心できる。年間20万円。これを「安心の値段」と考えれば安いもんだ。
プロのヒント
住宅ローン計算機を使って、必ず3つ以上のシナリオを試してほしい。金利が変わった時の月々の支払いがどうなるか。見ないと怖くないが、見ると背筋が凍る。
変動金利を選ぶなら、5年ルールと125%ルールを理解しておけ。これは返済額が5年間で25%以上上がらないという銀行のルールだ。でもこれは「毎月の支払い」の話で、「元本」の話じゃない。支払いが抑えられても、利息が増えて元本が減らない状態になる。これが「元本均等返済の罠」だ。
頭金は多いほどいい。400万円の頭金で借り入れを3,100万円に抑えたおかげで、月々の負担が1万円近く違う。500万円ならもっと違う。無理のない範囲で頭金を多く積むことが、一番の節約になる。
繰上返済を検討しろ。ボーナスが出た年や、臨時収入があった時は、繰上返済をすることで総返済額を大きく減らせる。10万円の繰上返済で、将来の利息を15〜20万円減らせることもある。
住宅ローン減税を忘れるな。フラット35でも変動でも、年末残高の0.7%が13年間控除される。3,000万円の残高なら年間21万円戻ってくる。これはでかい。確定申告(または年末調整)で必ず申請しろ。
よくある間違い
一番の間違いは「いまの金利だけで選ぶ」ことだ。0.4%の変動金利を見て「これなら毎月安い」と飛びつく。でも10年後の金利は誰にもわからない。俺の親父は1990年代に変動金利で家を買い、金利が5%を超えた時にボーナス返済をしている。ボーナスが減った年は地獄だったそうだ。
二番目の間違いは「フラット35は金利が高いから損」と思い込むことだ。確かに表面金利は高い。でも固定であることの価値は計算機に出ない。俺は毎月96,800円と決まっているから、家計のプランが立てやすい。変動の人は「来年どうなるかわからない」という不安と35年間付き合うことになる。
三番目は「借りられる額=買える額」と考えることだ。銀行は「年収の5倍まで貸します」と言う。年収780万円なら3,900万円。でも借りられる額と、無理なく返せる額は全然違う。俺は3,100万円に抑えた。毎月の返済が手取りの20%以下になるように計算した。これが安全圏だ。25%を超えると、子どもの習い事や旅行を諦めることになる。
四番目は「ボーナス返済を組み込む」ことだ。夏冬のボーナスで月々の返済額を減らすプラン。でもボーナスは保証されていない。俺の会社も去年は業績悪化でボーナスが40%カットされた。ボーナス返済に頼ったプランは、一発で破綻する。