年金を40年払ってももらえるのは月6.5万円:計算してみた

22歳から62歳まで40年間、毎月約15万円の社会保険料を払う。でももらえる年金は月6.5万円。老後資金2,000万円不足の本当の意味を計算した。

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約1550語
2026/4/1
給与明細の「社会保険料」の欄を見たことはあるか。俺は28歳まで真面目に見たことがなかった。見ても「年金かあ、将来もらえるんだろう」くらいにしか思ってなかった。 ある日、同僚が「年金っていくらもらえるか知ってる?」と聞いてきた。知らなかった。調べてみた。ショックだった。 俺は22歳で就職して、毎月厚生年金を払っている。会社と折半とはいえ、俺の負担は月々約7万円(給与から天引き)。年間約84万円。40年働いたら3,360万円。会社負担分を入れると倍の6,720万円。 これだけ払って、もらえるのは月額約14.5万円(夫婦で標準的な場合)。単身なら約6.5万円。 6,720万円払って、年間174万円。回収するのに38.6年。つまり100歳まで生きないと元が取れない計算だ。 俺は33歳、年収480万円。このまま40年働いて、62歳で年金を受給する前提で計算した。老後資金2,000万円不足という話がどこまで本当なのか。全部計算した。 前提を言っておく。俺は独身、賃貸、都内勤務、標準的な報酬月額。平均的なサラリーマンのケースだ。

使い方

年金の仕組みを数字で追う 俺の年金は「厚生年金」。会社員が入る年金だ。もう一つの「国民年金」(自営業者向け)は月額固定だが、厚生年金は給与に応じて変わる。 俺の報酬月額は約36万円。厚生年金の保険料率は18.3%(2024年度)。会社と折半なので、俺の負担は9.15%。 36万円×9.15%=月々約32,940円 年間:約395,280円 40年:約15,811,200円(約1,581万円) 会社負担分も入れると、総納付額は約3,162万円。 で、もらえる額はどうなるか。 厚生年金の受給額は「平均標準報酬月額×給付乗率×納付月数/480」で計算される。ざっくり言うと、40年間満額納めた場合の目安は: 老齢基礎年金(国民年金分):月額約6万8,000円(満額納付の場合) 老齢厚生年金(報酬比例部分):月額約7万7,000円 合計:約14万5,000円/月 年間:約174万円 単身で報酬月額が低い人(月20万円程度)なら、合計で約10万円/月。最低限の基礎年金だけなら約6万8,000円。 ここで俺が計算した「回収期間」: 総納付額1,581万円÷年間受給174万円=9.1年 62歳から受け取り始めて、元を取るのは71歳。日本人男性の平均寿命は81歳。71歳まで生きれば元は取れる。ただし「元が取れる」というだけで、その間の生活費としては全然足りない。 月14.5万円で生活できるか。都内の賃貸(家賃8万円)、食費4万円、光熱費1.5万円、通信費1万円、医療費1万円、雑費2万円。合計17.5万円。毎月3万円足りない。年間36万円。20年間で720万円不足。 これが「老後資金不足」の正体だ。年金だけで暮らせない。不足分を自分で貯めるしかない。年間36万円×20年=720万円。これに加えて、介護費用、家の修繕、病気の入院費。最低1,000万円は自分で用意する必要がある。「2,000万円不足」というのは、もっとゆとりある生活を前提にした数字だ。

プロのヒント

ねんきん定期便を毎年チェックしろ。日本年金機構から届くハガキだ。俺の Future Pension とこれまでの納付記録が書いてある。每年誕生月に届くから絶対見ろ。忘れてた人は日本年金機構のウェブサイトでも確認できる。 iDeCo(個人型確定拠出年金)を始めろ。毎月1万〜2万円を積み立てる。全額所得控除になるから、節税効果がでかい。年収480万円で月2万円をiDeCoにかけると、年間約4.8万円の節税。30年続ければ、元本720万円が運用利回り3%で約1,167万円になる。これだけで老後の不足分の半分くらいカバーできる。 厚生年金の納付記録に漏れがないか確認しろ。転職した時、フリーターだった時、未納期間があると受給額が減る。未納期間が5年あると、満額の6万8,000円が約5万9,000円に下がる。月9,000円×12ヶ月×20年=216万円の差。でかい。 会社の確定拠出年金(企業型DC)があるなら、活用しろ。会社が掛金を負担している場合が多い。俺の会社は月1万円を会社負担で積み立ててくれている。これも老後の資金になる。

よくある間違い

一番の勘違いは「年金があれば老後は大丈夫」と思ってること。俺の親の世代はそれでなんとかなった。でも俺の世代は違う。年金の受給開始年齢は段階的に引き上げられてる。俺は62歳から支給の予定だが、65歳になる可能性もある。そして受給額は徐々に減る方向だ。少子高齢化で支える側が減ってるから当然だ。 二番目は「 国民年金だけ払ってればいい」と思ってること。自営業やフリーランスは国民年金だけ。満額納めても月6万8,000円。年間82万円。これだけで生活するのは不可能だ。厚生年金のある会社員とは雲泥の差だ。自営業の人は特にiDeCoと個人年金で補強する必要がある。 三番目は年金の繰下げ受給を検討しないこと。65歳ではなく70歳から受け取る選択をすると、月額が約1.42倍になる。14.5万円が約20.6万円に。健康で働けるなら、5年繰下げるだけで年間40万円近く増える。70歳から90歳までの20年間で800万円の差になる。 四番目は「配偶者の年金」を過信すること。夫の厚生年金に加給年金がつくのは、65歳以上の配偶者がいる場合だけ。俺は独身だからつかない。既婚者でも、夫が亡くなった後の遺族年金は夫の年金の4分の3。月10.8万円程度。これだけで生活するのは厳しい。

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